読感 「海の底」
【海の底/
有川 浩】
巨大ザリガニに横須賀が襲撃されるお話。読むまで、怪獣モノだなんて思わなかったよ…。しかもこのザリガニさんたち、
人を喰らうのでなかなか表現がエグい。
自分の役割をしっかり果たそうとする大人達が純粋に格好良い。同時に、いざという有事の時に住民の命を守る国というものは、
意外と脆いんじゃないだろうかと感じた。武器のこととか、警察と自衛隊の関係とかごたごたしてますよね。
潜水艦に閉じこめられた子供達をあの手この手で何とかまとめていく、海自の2人が良かった。 夏木も単細胞でイイ奴だけど、
特に冬原の痛切な毒舌がかなり爽快(笑)コイツ、にっこり笑いながら死ねっていうタイプだね。口達者キャラ万歳。子供達もリアルですね。
圭介みたいなヤツ、現実にもいるなあと思いました。現代社会の子供(都会)の姿そのままです。
ただ、望だけは最後までどうにも好きになれませんでした(個人の問題かな~)。閉じこめられた子供達の中で唯一女だったわけですが、
そのせいでやたらと性差が強調されすぎていると思います。守ってオーラが常に出ていて、ちょっとね…。
最後も上手い具合に恋愛方向に持って行かれちゃって、「ええーっ」と思いました;;うまくいきすぎだ…。