み づ な き そ ら

その時々のハマリものなどを徒然と

第1章 広野紘×宮村みやこ編 クリア

ef - the first tale.ef - the first tale.
http://www.minori.ph/ ]

卒論休憩して積みゲ崩し。
前評判ではあまりよろしくないことを聞いていたのですが、私はこのゲームの雰囲気がとても気に入りました。

何より天門氏の音楽が物凄く良い!!エロゲのBGMは割と人工的で無機質な感じのものが多いので、聞き流すのが大半ですが、 efではピアノやヴァイオリンの温かみのあるしっとりとした音が物語にさらなる存在感を与え、心情の起伏を豊かにしてくれます。 聴き惚れていると、うっかり音だけで泣きそうになる。ただウチの環境が悪いせいかもしれないけど、 ヴァイオリンの曲の高音部がやたらザラザラしてて、ちょっと気持ち悪かった。もっとクリアな音で聴きたいのに…。

そしてCG。とにかく枚数が多くて、ほとんど使い回しが無いように感じる。背景や細かい描き込みもぬかりない。 minoriがウリにしているインタラクティブ・ノベルという見せ方は、まるで映画のようで立ち絵形式に慣れた私にとっては、 斬新かつリアリティーがあって全く飽きませんでした。
プレイヤーは主人公の視点で女の子を見るわけではないので、傍観者として話の顛末を見届けることになります。 この視点は人によって評価が大きく分かれそうな気がしますね。その分各キャラの内心まで深く掘り下げて描いてあるので、 主人公に感情移入するというよりは、誰に共感できるかによって面白さに格段の差がありそうです。
私なんかは普段から高みの見物をしながら、やれカプ萌えだなどと騒ぎ立てる人間ですので、いつも通りすんなり入り込めました(笑)

■プロローグ ≪火村夕×雨宮優子≫

かつては一緒に住んでいるような仲だった二人。この二人のことはまだよく分かりません。
何が二人を分かち、そして再会させたのか?おそらく最後のシナリオを締めくくる人物たちなのでしょう。これ以降の本編は、 優子が火村に自分が会った人達について話して聞かせる物語から構成されています。

火村が笑ったことに素で吃驚した!!
い、いや、心の底から笑顔を見せる眼鏡キャラって結構レアだからさ(笑)

■第1章 ≪広野紘×宮村みやこ

――どこにでも行けちゃうっていうのは、 どこにも居場所がないからだよ

紘の前ではいつも笑って脳天気なおバカキャラを演じて見せているけれど、実は秀才で運動もできる万能少女。学校ではあまり笑わず、 昼休みにふいっと学校を抜け出してしまうような問題児でもある。
性格が多面的で、応じる人や状況によってコロコロ態度が変わるので、とらえどころのない子でした。

――どんなにみっともなくてもいいから…… しがみついていたいよ!

みやこは紘に"自由"を与え、紘はみやこに"居場所"を与えた。
この二人の関係を見ていると、「ef」という物語は、恋愛の本質を大真面目に描いているのだなあと感じられました。 自分には無いところに惹かれ求め、そして互いに足りない部分を埋め合う、持ちつ持たれつの関係。 それをストレートに表しているのがこの二人ですね。
あと、私の好きな手繋ぎシチュが多くて、えへえへと一人で悦に浸ってました(気持ち悪い)

だけど、みやこの自由は抑圧された家庭環境から生み出されたもの。自由でいること=一人でいることだったみやこには、 その居場所がまだ不確かで、そこに侵入してこようとする者には徹底的に敵意をむき出しにする。

景に向けた言葉はこっちが驚くくらい鋭い言葉だったけれど、愛情に飢え、人と上手く付き合うことの出来ないみやこだからこそ、 気持ちに嘘のないあんなにストレートな言葉になってしまったのでしょう。やっぱりどこか不器用な子なんですよね。

こうして大事なものを得、そして失いながら二人の物語は完結。

ただ、現実的に考えて、紘が高校を中退するのはどうかと思うんよ;;
余計なお世話だとは思いますが、高校くらいはねえ…(笑)

新藤景

――……いつまでもわたしは妹みたいなものなのよね

第1章では悲劇のヒロインになってしまった景。
料理下手で暴力少女。だけど、紘のことを誰よりも心配していて、人一倍気遣ってくれる献身的な妹分。
そして、一度決めた信念を貫くためには努力を惜しまない体育会系の頑張り屋。

―― これまでも一度だってお兄ちゃんへの気持ちが途切れたことなんてなかったもの

三角関係直接対決のシーンはあまりに真っ直ぐな景の想いが苦しくて、息継ぎするために一旦ウィンドウを閉じてしまったくらい。
紘と景はお互いが側にいることが日常になってしまっているから、勝負に出るためにはその関係を崩さなくてはならなかった。 そのギリギリのラインで足踏みしていたところにみやこが現れて、結果として紘は奪われ、もう自分だけのお兄ちゃんではなくなってしまった。
気丈な景が流す涙は、なかなか心に迫るものが…。

「わたしたちは兄妹じゃないけど、やっぱり似ている」とにっこり笑って話してくれたのが、一番印象的でした。難しいよねー、 こういうポジションにいる相手同士は。

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高校生という、まだ完全に人格形成されたとは言えない難しい年頃。
自分の立ち位置さえはっきりしなくて、夢と現実に行き惑う姿は、おそらく誰もが一度は経験したことがある通り道。
だからねー、なんだか身近に感じてしまうんですよ。
ああ、私も色んなことで悩んでる時があったなって。
ひたむきに頑張る景に羨望と焦りの眼差しを向けるみやこの気持ちとか、私にも経験があるので懐かしいやら歯がゆいやらで涙が出ました。

短い短いと言われていますが、忙しい身にはこれくらいがちょうど良かったです(笑)
プレイしながら、我が身を振り返ったりして色々考えることもあったので、充足感も十分にありました。

これから2章やってきますvv
そういえば、まだ例のムービーが流れないな…。OPだとばかり思っていたのに。