み づ な き そ ら

その時々のハマリものなどを徒然と

読感 「少女七竈と七人の可愛そうな大人」

少女七竈と七人の可愛そうな大人少女七竈と七人の可愛そうな大人 / 桜庭 一樹】
私は桜庭氏の本を読むのはこれが初めてで、名前くらいしか知らなかったので、男性の方かと思っていたら、読んでみて一発であ、 これは女性の人だなと察知(なぜなら友人兼義妹の千紗嬢が同じような文体をよく用いているから(笑))
私は文章を区切らずに長く書いてしまう悪い癖があるので、この本のように句読点が多くて、 端的な文章ははじめ息が合わなくて読みにくい部分もありました。私はラノベをあまり読みませんが、 多分ラノベっぽい文体なんだろうと思います。人物の口調なんかも独特で、あまり人間味を感じられず冷たい印象を受けたのですが、 これはリアリティーを求めて読んではいけないのだなと頭を切り換えて全部読み終えてみると、 しまいには主人公の七竃と雪風がすっかり愛おしくなってしまったのでした。この二人には赤が似合う。あと、七竃が緒方みすずと話すときの 「後輩」という呼び方が、なぜか不思議と気に入ってしまいました。
その一方でワンコ視点で人間を見ている時は非常に親しみを感じました。だってビショップ、 人間より人間らしいしね(笑)

恋愛小説と呼ぶにはあまりに淡泊で、かといって親子愛と呼べるほど深いものもない。
少しだけ特別な少女の青春の一幕くらいがちょうどいいのかもしれません。

次は「少女には向かない職業」が読みたい(←ミステリフロンティア好き)。
早く図書館に返ってこないかなー。