み づ な き そ ら

その時々のハマリものなどを徒然と

innerchild アメノクニ/ヤマトブミ~Children Of The Sun~あまてらすうみのこたち

9月7日 19:30~ @吉祥寺シアター
http://sv14.wadax.ne.jp/~innerchild-web-com/ ]

記紀時代と世界大戦時代を融合させるという斬新な世界設定。
古事記編纂と日本書紀編纂の間に、思い切って第二次世界大戦を挟むという、すんごいことやっちゃってるのに、 これを違和感なくまとめ上げているところが、この劇団の凄いところ。
ちょっと背景書き出すと長くなっちゃうので、割愛します(汗)
私の中に眠っている歴史アンテナと知識を総動員させて観ました。
知的好奇心をちくちく刺激してくれる作品でした。

だけど、そんな知識なんてのは多少にやりポイントが増えるくらいで、 物語の本筋は人の想いと生き方で構成されている人間ドラマ色の強いお話でした。
歴史って、文字は残るけれど、人の気持ちや感覚はなかなか残りません。
そんな歴史に再び命を吹き込み、その想いを呼び起こすことができるのは、役者の体温が伝わる生の舞台ならではでしょう。
日本人の奥底に眠る精神がいっぱい詰まっていました。

現代は歴史に目を向ける機会が減少しているので、本当にこういった舞台は嬉しいです。
主宰小手さんの情熱が伝わってきて、見終わった後はすっかりのぼせ上がって呼吸が乱れました。
歴史は要らない物ではない。ちゃーんと現代に生かすことだってできるんです。
歴史を踏まえて、我々はどう生きなければいけないのか?…歴史とは自分の足下を見るようなものだ、 と大学時代に歴史学を専攻していた私は何となくそのことを悟りました。
それと同じようなことをこの舞台からも感じ取りました。

松毬元帥(=マッカーサー)役の高山奈央子さんが鼻血モノの格好ええ姐さんでした。
スレンダーで長身で、なんとキセルの似合うことか。
逆に聖武帝夫妻がなんか二人ともちまっこくて可愛かった(笑)
声優としても活躍されている前田剛さんも出演されていましたが、百人一首でデュエル開戦にはかなり笑いましたよ。 あのタイミングで蝉丸(笑)

あとオープニングのキャスト紹介の舞台演出が素敵だったなあ。
静と動、陰と陽がハッキリしていて。

ぐるぐると絡まった交差史観の中に、一本の太い軸が通っているような舞台でした。
私的に、かなりの感動があったのですが、なかなか言葉に表せません。