み づ な き そ ら

その時々のハマリものなどを徒然と

キャラメルボックス きみがいた時間 ぼくのいく時間

3月9日 ソワレ @ サンシャイン劇場
[ http://www.caramelbox.com/stage/kimijikan/ ]

【出演】

秋沢里志:上川隆也     梨田紘未:西山繭子
秋沢真帆:岡内美喜子    野方耕市:西川浩幸
若月まゆみ:温井摩耶     山野辺光夫:阿部丈二
佐藤小百合:渡邊安理    広川圭一郎:筒井俊作
柿沼純子:坂口理恵     柿沼浩二:岡田達也
柿沼英太郎:左東広之    萩原芽衣子:青山千洋
栗崎健:三浦剛        12歳の紘未:小林千恵

高木ブーさんの誕生日だったそうです(@上川さんの前説)
念入りなケータイの電源切ってくださいコールに開演前から笑いました。
「何よりも危険なのは油断です!!」とか、大変真面目なご指導でした(笑)
初キャラメル、何とビックリな最前列で拝見させていただきました。ありがたや~(平伏)
セットも豪華にタイムマシンで時間を飛び越えるSFチックなお話でしたが、根底にあるのは、ただひたすらに一途な夫婦愛物語でした。

●感想
事故で最愛の妻とお腹の中にいた子を失ってしまった。
その事故を回避すべく、里志は自分の作ったタイムマシンで39年前へ…。
結果として未来は変わり、事故は回避されてハッピーエンドを迎えます。

しかし、未来を変えることは決して容易ではありません。
乱闘沙汰で足が不自由になりました。
気の遠くなるほど膨大な、孤独な時間もありました。
癌に冒されました。
最後は結末を見届けることなく逝ってしまいます。
…一見、すべてが上手くいったように見えても、その代償はあまりにも大きい。

だからこそ、ね。
過去と未来が繋がった瞬間…、一人の男の半生が、39年のという時間の長さの重みが、怒濤の勢いで押し寄せて、感涙に咽びました。
決して変わるはずの無い歴史に、一人の男の決意と愛情が打ち克った…。

エンディングの里志と紘未のおでこコツンにはときめきました。
自分で掴み取った未来だ!今度こそ思う存分幸せに暮らすが良いさっ。

タイムリープ物は想像がかき立てられるので楽しいですよね。
グッドエンドにもバッドエンドにも成り得るアンバランスさゆえに、様々なifを考えてしまいます。
最初の一回は、実は失敗した未来だったのかな…、とか。
今回の一幕は、幾重にも重ねられた失敗の上に成り立った未来なのでは…、とかね。
(↑ひぐらしのやり過ぎ(笑))
あわよくば、タイムマシンに乗った里志が自分の子どもの顔が見られる未来が来て欲しいな…、なんてことも願ってしまいますね。

●役者さんについて
上川さんは、初見の私にとってテレビの中の人だったので、多少他の役者さんとは浮いて見えるのでは…と勝手に推察してしましたが、 至って普通でした。
ここで育ったんだなあというのが如実に分かるくらい、完全に溶け込んでいました。
しかし、青年期と老年期を違和感なく演じ分ける技量には、さすが!と舌を巻きました。
幅が広いなあ~。
一豊ネタも嬉しかったです(笑)
なんか、舞台だとやたら可愛い面が目立ってました。
紘未のことを追求されて、動揺してスーツケースくるくる回してるとことか、結婚後、すっかり幸せボケで「結婚はいいぞー!」 とか言ってる姿は、大変お茶目さんで愛らしかったです。
ブレイクダンス始めたときは、見てるこっちが慌ててしまいましたが(笑)
貴重なものを見てしまった…。

紘未役の西山さんも、すごく綺麗だったー!
知性派美人で、爽やかさがあって好印象でした。
紘未の、自分の尊敬する人を幸せにしてあげたい…という姿勢が、私も常日頃そんな体勢なのでとても共感出来ました。
理屈好きの堅物を逆手に取った、誘導尋問チックなプロポーズシーンも大好きです。

キャラメルボックスは役者と観客の距離がとても密な劇団だと聞き及んでいましたが、まさにその言葉の通りだなと実感しました(や、 ホントに席は近かったけど(笑))
同じように心を痛め、不安を煽られ、絶望を感じ、そして最後には胸一杯の幸せで満たしてくれました。
見ている間はものすごい集中力を発揮して、すっかり我を失っていました。
終演後はどっと疲れましたけどね(笑)おかげで、心地良い充足感を得られました。

本命ラヴキャラ→野方さん
西川さんの笑いのセンスだいすき…っ。


…まだまだ色々書けそうですが、思考の渦にのまれそうなのでここで打ち止め。
自分の未来を変えるのは、自分にしかできないこと。

タイムマシンがあったら、歴史は変えたくないけど、まず見たいのは関ヶ原
パンフで岡田さんも同じ事を言ってたわ(笑)